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【まとめ】中山道を歩いた旅の全記録 (データ・宿泊・峠・中山道六九次等)~中山道歩き旅~

2018年8月4日から8月20日にかけて中山道旧道を中心に東京から京都まで徒歩で旅をしました。

本記事は16日間、530kmに及ぶ旅の記録です。

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動機

より困難な道を歩いてみたい

東海道を歩いた時に宿泊した宿で出会った旅人さんに中山道は東海道以上に得るものが大きいというお話を伺いました。

そこからなぜか現代においてはより困難な中山道というものにチャレンジしてみたい。そんな想いが強くなりました。

深い山を越え、川を渡って街場へ出る。平坦な道よりも更に険しい道を歩いていくことで更に得られるものがあるんじゃないか。それが大きな挑戦の原動力でした。

もっと歴史を感じたい

東海道中にもたくさんの史跡がありました。しかし、多くは開発の為に壊され跡となっているものが多かったです。

しかし開発されていない分、中山道は多くの宿場をはじめとした歴史ある建物や町、そして峠の旧道がそのまま残っています。その場所を歩いてみれば更に古の人々と対話できるのではないか。

そんなことを思うと歴史に対する好奇心と馬鹿な挑戦への衝動は止まらなくなっていきました。

五街道制覇をしてみたい

古から整備され、江戸期には幹線道路として利用された五街道。

東海道、中山道、甲州街道、日光街道、奥州街道。

その中で距離が長いのは東海道と中山道の2つ。東海道を歩いた、ここで中山道を完歩すれば一気に近づくなと。

時間を取れる今、やるしかないと中山道の旅に出ました。

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基本データ   

中山道歩き旅の基本データ
  日本橋出発   2018年8月4日
  岐阜県入り   2018年8月14日(11日目)
  三条大橋到着  2018年8月20日
      →計17日間(休憩日無し)
1日の距離 約30~45km
  総予算  60796円(到着までの予算)

ルート

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東京〜京都間の大きなルートは東海道と中山道の2つ。

今回は旅のタイトルの通りもちろん中山道を進みます。中山道は東海道に比べ距離も長く山間部を進むルートになりますが、江戸時代は姫街道と呼ばれていました。これは東海道が現在のように橋がかけられていなかった為、海に近い大きな河川を渡しで渡らなければならず大変危険を伴いました。
そのため女性は中山道を利用することが多かったことからきています。

とはいえこれだけ道路が発達した現在では山深い山間部を抜けることに加え、廃道も多い中山道のがはるかに危険なことは明白で、実際にもきつい峠が多々ありました。

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歩いたルートとその詳細は以下の通りです。

(日にちをクリックすると各日の記事へ飛びます。)

【出発前夜】 旅のルールと前日準備など

【1日目】   日本橋→桶川(埼玉県へ)

【2日目】   桶川→熊谷 

【3日目】   熊谷→高崎(群馬県へ)

【4日目】   高崎→松井田〈横川駅〉

【5日目】   松井田→追分(長野県へ)
      ・碓氷峠踏破

【6日目】   追分→長久保

【7日目】   長久保→下諏訪
      ・和田峠踏破

【8日目】   下諏訪→奈良井
      ・塩尻峠踏破

【9日目】   奈良井→上松
      ・鳥居峠踏破

【10日目】 上松→三留野〈南木曾駅〉

【11日目】    三留野→大井(岐阜県へ)
      ・馬籠峠踏破

【12日目】 大井→太田
      ・十三峠踏破

【13日目】 太田→河渡
      ・うとう峠踏破

【14日目】 河渡→醒井(滋賀県へ)
      ・今須峠踏破

【15日目】 醒井→武佐
      ・小摺針峠・摺針峠 

【16日目】 武佐→大津

【17日目】 大津→三条大橋(京都府へ)

⦅番外編⦆ 完歩後の記録 

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宿泊場所

 1日目 :JRで帰宅(桶川駅から)

 2日目 :JRで帰宅(熊谷駅から)

 3日目 :JRで帰宅(高崎駅から)

 4日目 :JRで帰宅(横川駅から)

 5日目 :信濃追分ペンション軽井沢ゼフィルス八番館

 6日目 :和田宿「民宿みや」

 7日目 :下諏訪のネットカフェ自遊空間

 8日目 :松本のネカフェCarefree-Cafe

 9日目 :松本のネカフェCarefree-Cafe

10日目:松本のネカフェCarefree-Cafe

11日目:恵那のホテルルートイン恵那

12日目:美濃太田のネットカフェリベロ

13日目:岐阜穂積の快活CLUB

14日目:西彦根の快活CLUB

15日目:武佐のビジネスホテルシェル

16日目:大津膳所の快活CLUB(完全個室)

食事

食事については基本的に朝はコンビニのパン。昼、夜は外食でした。

中山道特有の注意点は、山間部(木曽路から岐阜市内)あたりまでではコンビニすら殆どないので注意が必要です。一つ見逃すと10km先なんてざらです。見つけたら補給を基本にしましょう。

夕飯についても、木曽路で宿泊の場合には17時くらいで閉店なので注意が必要。自分は松本を拠点にしたのですがそういうやり方も一つです。 

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持ち物

中山道以外の歩き旅の持ち物はこちらこちらで過去にまとめているので、ここでは中山道で便利だったものを記します。

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〈ランタンライト〉

峠は昼間でもうす暗い場所があったりします。
そういった中でペンライトよりもランタンライトがあると安心感が半端ないです。一つは持ってくとかなり安心ですよ。

〈熊鈴〉

これは絶対必須です。
中山道の峠はほぼすべてクマ出没注意の看板が立っています。誰もいない峠の中で熊と出会う・・・なんてことにならないようにしっかりとなる熊鈴で備えましょう。 

峠情報

ここでは各峠について歩いてみての情報を箇条書き風に書いていきます。
記憶に頼っている面も大きいので実際に歩く方は参考程度にお読みください。(歩いたのは碓氷峠下り以外は基本旧道です。)f:id:gakublog:20190106190856j:image

碓氷峠

丸一日の行定必須の峠。
はじめの1キロかなりキツイ。30分以上に渡って足下の悪いゴツゴツとした岩場を歩き続ける感じで汗と息切れが止まらない。
歩いている最中の辛さは碓氷峠最初のこの30分が1番だった。
下りについては道無き道すぎて遭難危険レベルマックスなので、素直に国道を歩くか事前によく下調べを書籍等も使って行う必要がある。

笠取峠

上りは国道かその道沿いを歩いて行く感じ。
下りは普通の道を横断しながら旧道を歩いて行く道が出来ている。碓氷や和田はもちろん、妻籠峠などよりも楽なのでそんなに大変ではない。

和田峠

こちらも確実に丸一日。碓氷と和田どちらが大変かとよく言われる。
個人的には和田峠が標高差が中山道で高く一番きついと思う。間違いなく長久保から下諏訪は1日がかりとなるので朝から入る必要がある。基本的に野宿を除けば、民宿みやさんに宿泊して峠入りするしかない。
上り下りとも旧道が整備されているが、下りは整備の度合いが低いので、道無き道っていう感じ。危険な箇所もあるので心して望んだほうが良い。

塩尻峠

上りにアスファルトの急勾配の坂がある。とはいえ舗装された道なので楽勝!
頂上にコンクリート製の櫓展望台みたいなのがあって、そこからの諏訪湖は絶景。
下りも大したことない。

鳥居峠

碓氷や和田に比べれば楽勝だが、峠だからそれなりにはきつい。遠足くらいのレベルと言ったところだろうか。
奈良井宿を出てからすぐに峠に入って次の藪原宿まで約3時間ほど。

馬籠峠

妻籠宿から馬籠宿は馬籠峠を含めてたくさんの観光客がいる。
特に外国人観光客が峠越え体験のような感じで多く歩いており、無料の茶屋なども用意されている。
ここは片峠なので下りはない。中山道中唯一の大観光地ともいうべき場所だけあって、人が沢山いるので久々に温かい気持ちで歩ける。
人の安心感半端ない。

十三峠

ここは絶対朝一番で峠入りしなければいけない。
30キロほど山中の集落等しかなく食事処、鉄道駅、交通機関等かは外れてしまう。この期間の唯一の宿泊場所は長久手宿の大黒屋さんなので、少しずつ歩く人はここでの宿泊が必須事項になる。
十三峠というのは沢山の小さな峠が繰り返される感じになっていて、とにかく長い。急勾配なところやここまでのような深い山中というものは少ないが丸1日アップダウンが続く。
これが終わると一気に街場に出る。関東以来久々にデカイ国道をみる。長い長い山中生活ともここでおさらば。

うとう峠

終わったと思った峠が翌日に復活と思いきや、30分程で越えられる。楽勝!
これを越えるとさらに街場になった気がする。。。安心感半端ない!

今須峠

もはや峠でもなんでもない。

木曽のあたりで歩いた坂よりも楽勝。もしかしたら昔は険しい道だったのかもね。

小摺針峠・摺針峠

手前にある小摺針峠とその次の摺針峠。
小摺針は今須峠同様で高速道路脇にある単なる坂。
摺針峠はそこそこ登るもののこちらもアスファルトの舗装路なので楽勝。山頂付近にある神社?から晴れていれば綺麗な琵琶湖が見られるので一休みしてみると良い!

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挑戦の旅を終えて

地方の現状

今回は東海道に比べても、線路や主要な道路から外れた道や町を沢山通ってきました。そうした中で、限界集落と呼ばれそうな町や人が殆どおらず衰退してしまっている街をたくさん見ました。

鉄道や車で一瞬で通り過ぎてしまっては気づかないようなことに現地の人々や状況を歩き旅は沢山教えてくれました。普段東京近郊で暮らしていると、想像もつかないような現状を目の当たりにしました。

地方創生といっても、そこに暮らす一人一人の人生がある。

こうした経験は自分自身の政治観や政策への志向に大きな影響を与えてくれたと思います。

自然の雄大さ 

中山道は日本の中央をまっすぐにしに歩く道。

数々の山を抜け、木曽路を行く。この道中で見つけたのは素晴らしい日本の自然でした。2/3が山地という昔習った知識。町場から出てはじめて強く感じた旅でした。

そして辛い時も力が湧いたのは美しい自然の風景があったからでした。

日本の素晴らしさ

道中、、、

様々な人に出会い助けてもらったり応援してもらったり…!

多くの美しい景色に出会ったり…!

時には峠で恐怖を覚えたりも、、、!

そうした嬉しい事も辛いこともすべて、この日本の中で出会った素晴らしさでした。じっくり歩いてみて、細かくみてみて何よりも日本が大好きになりました。 

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最後に〜応援してくれた方へ〜

17日間。530kmに及ぶ果てしない旅は楽しい事ばかりではありませんでした。

ブログにはなかなか書かない所で足が痛んだり、雨に降られたり、道に迷ったり、峠で恐怖を感じたり、、、
もう電車に乗って京都まで行ってしまいたいと思ったとき、勇気をくれたのは応援してくれた皆さんの声でした。
BLOG、SNS、旅の道中、様々な形でエールを送ってくれた皆さん、本当にありがとうございました。今後少しでも恩返しするべくこれからも様々なことをやって精進いたします。

改めて、本当にありがとうございました!!